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ともみのビタミンキッチン

「メタボリックシンドローム」という言葉について、知らない人はいないのではないかと思うくらい、テレビや講演会やなどで報道されています。私も先日、「メタボリックシンドローム」について講演させていただきました。
「メタボリック」とは、「代謝」を意味します。
過食や運動不足などの生活習慣が続くことで、内臓に脂肪(内臓脂肪型肥満)が蓄積します。それが原因となり代謝のバランスが崩れるようになります。最近では、内臓脂肪が、血糖、血圧、血中中性脂肪(トリグリセリド)を上昇させる物質を作り出すことがわかってきました。
つまり、内蔵脂肪の蓄積から糖尿病、高血圧、高脂血症などが複合的に発症する病態を「メタボリックシンドローム」といいます。そして、恐いことに、このメタボリックシンドロームは、動脈硬化の強力な危険因子で、最終的には「心筋梗塞」「脳梗塞」を引き起こす可能性が高い病態なのです。
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例えば、内臓脂肪型肥満、糖尿病、高血圧、高トリグリセリド血症の4つを、それぞれ危険因子としたとき、右図のように危険因子数が増えるほど、冠動脈疾患(心臓病)のリスクが高くなっています。 危険因子が3〜4個ある場合、危険因子が0の場合に比べて、約36倍ものリスクがあります。 |
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【1】まずは、内臓脂肪が蓄積しているかどうか調べます。
診断方法 | 判定 | |
ウエストによる診断 | 立って息を吐いたときのへそ周囲のサイズをはかる | 男性85cm以上、女性90cm以上を内臓脂肪型の疑いとする |
CTスキャンによる診断 | ウエスト診断で内臓型肥満者の疑いがある者に対し、へその周辺の断面積を撮影し、内臓脂肪面積を測る | 男女とも、内臓脂肪面積100u以上を内臓脂肪型肥満と診断 |
【2】次に、下記の項目の中で2つ以上該当するかどうか調べます。
項 目 | 基 準 | 服薬 |
血中脂質 | 高トリグリセリド血症 ≧150mg/dl かつ/または 低HDLコレステロール血症 <40mg/dl |
あり |
血圧 | 収縮期(最大)血圧 ≧130mmHg かつ/または 拡張期(最小)血圧 >85mmHg |
あり |
血糖値 | 空腹時高血糖 ≧110mg/dl | あり |
【3】
【1】で内臓脂肪が蓄積していて、【2】の危険因子の中で2つ以上該当すれば、「メタボリックシンドローム」です。
「メタボリックシンドローム」に当てはまらなくても、内臓脂肪が蓄積(男性85cm以上、女性90cm以上)があり、【2】の項目で1つ該当すれば、「メタボリックシンドローム予備軍」になります。

食べ物編 | 1.緑黄色野菜をあまり食べない |
2.脂っこいものが好きでよく食べる。 | |
3.アイスクリームやスナック菓子が離せない | |
4.料理に砂糖をたっぷり。 |
食べ方編 | 5.夜食や間食をよくたべる |
6.お腹一杯たべないと満足しない | |
7.夕食はダラダラと時間をかけてたべる | |
8.テレビを見ながら食事する |
運動・その他編 | 9. どこに行くにも車を利用する。 |
10. 歩いたり、自転車に乗ることが嫌い。 | |
11. 運動が苦手でほとんどあいない。 | |
12. 仕事中は、ほとんど机に向かっている | |
13. 階段は使わずエレベーターやエスカレーターを利用する。 | |
14. タバコはやめられない。 |
参考)日本栄養士会発行、健康の増進のしおりNo.2006-2
◆ 次回は内臓脂肪を減らすポイントについて書きたいと思います ◆

私事ですが、3月にハートピア鹿児島にて「介護・予防教室」を行いました。とても大盛況でした。高齢者が増える中、介護予防は重大な課題になってくるでしょう。介護が必要のない世の中にするため、健康で「ニコニコが絶えない」生活を1人でも多くの人が過ごすことのできるよう、これからも、研究に指導に、がんばって活動していきたいと思います。