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Recipe2 鉄欠乏性貧血を予防する食事
鉄欠乏性貧血とは、赤血球に含まれるヘモグロビンの構成要素である鉄の欠乏により起こる貧血のことで、鉄の需要と供給のバランスが崩れ、ヘモグロビン合成への鉄の供給が間に合わない状態のことです。ヘモグロビンの働きで最も重要な仕事は、酸素を全身に運搬することです。ヘモグロビンによって体のすみずみにまで酸素が運搬され、活動のためのエネルギーが産生されます。鉄が不足すると、ヘモグロビンが減少し、あらゆる組織が酸素不足になりさまざまな症状がでてきます。

■お話:管理栄養士 森田友美さん(プロフィール)

 

成 因
(1) 鉄の摂取不足:小食、偏食、菜食主義、ダイエット、摂食障害
(2) 鉄の吸収障害:胃切除、吸収不良症候群など
(3) 鉄の需要増大:成長期、妊娠・出産・授乳、月経など
(4) 鉄の過剰喪失:癌や潰瘍による消化管出血、痔疾患、子宮筋腫や子宮ガンによる出血など

 

症状

だるい、つかれやすい、めまい、寒気、立ちくらみ、動悸、息切れ、頭痛、顔面蒼白、耳鳴り、食欲不振、爪がスプーン状になる、など様々な症状が起こります。

しかし、緩やかに進行すると自覚症状を伴わないこともあります。

症状に心当たりのある方は一度、健診や病院などで検査してもらうことをおすすめします。そのまま適切な処置をせずに放置しておくと恐いですよ〜。

ヘモグロビン(Hb)濃度と貧血の一般症状

貧血と診断されたら・・
1. 鉄欠乏の原因追求し、原因に応じて治療する。
2. 鉄剤を摂取。
3. 食事療法を行う。

貧血になった場合、食事のみで必要な鉄量を補充することは困難。ですから鉄剤の摂取を主体に治療します。もちろん、貧血予防や再発防止に栄養食事療法は有効です。
1に予防、2に早期発見、3に早期治療、4に再発予防です。

 

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食事療法

食事は栄養のバランスを考えながら、毎日3食きちんと食べる。
欠食せず、1日3回規則正しい食事を摂取しましょう。単に鉄不足だけでなく全身性のエネルギーやたんぱく質栄養失調で多くみられます。まずは、食生活を見直しましょう。朝食をぬいたり、偏食傾向はありませんかぁ〜。

 

造血作用のある鉄やたん白質を摂取しましょう。
肉類や魚類などの動物性たん白質には「システイン」などのアミノ酸を含み、鉄を吸収しやすい形に変化させます。 貧血予防のためには肉や魚もしっかりとりましょう。

 

鉄分を多く含む食品を十分に摂る。
鉄には動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」があります。非ヘム鉄は吸収率が悪いですが、食べ合わせ次第で吸収率をアップさせることが可能です。

動物性食品  植物性食品

 

鉄の吸収率をアップさせましょう。
(1)酢、柑橘類、梅干しなど酸味のあるものや香辛料を使って胃液の分泌を良くする。

(2)ビタミンCの多い野菜、いも、果物などと一緒に摂って吸収を促進させる。 

 

よく噛んで食べましょう。
よく噛んで食べることで胃酸の分泌がよくなり、鉄などの栄養が消化吸収されやすくなります。胃に負担をかけずに健康な胃腸を保つことにもつながります。もぐもぐ・・・・・

 

ビタミンB12、葉酸、ビタミンB6、銅を多くとる
血液をつくるには、ビタミンB12や葉酸も欠かせません。ビタミンB12はレバー、魚の血合い、貝類、卵黄、納豆などに含まれます。葉酸は、緑黄色野菜や枝豆などに多く含まれます。ビタミンB6はいわし、かれい、卵黄など、銅は貝類、レバ−、ごまなに含まれます。

 

食事中の緑茶や紅茶、コ−ヒ−などは控えましょう。
これらに含まれるタンニンが鉄と結合して鉄の吸収を悪くします。
一部ではそれほど障害にはならないという説もありますが、とりあえず
飲みすぎないほうが無難です。

鉄を多く含む食品